もうすぐ、税理士試験の合格発表があります。令和3年12月17日(金)です。この時期、5ちゃんねるの掲示板をみたり、専門学校のボーダーラインを見返したりなど、落ち着かなかった記憶があります。
4年前の2017年12月、3回目の相続税法受験に失敗し、心が折れた時期でもありました。この年は、専門学校でも上位を維持し、6月の公開模試でも、880人中4番と、1年を通して、つまづいたり悩んだりすることがほとんどなく、自分は合格する(できる)んだという高揚感とともに試験を迎えた年でした。
しかし、本番で時間配分を誤り、かけるべきところに時間を十分かけられず、結果不合格になりました。2014年、大学院に行くことを前提に、法人税法から相続税法に科目変更をし、3回受験して合格することができませんでした。さすがにもう受験を続けるのは無理だと思いました。
4年前の12月に、本当にダメだと思った。
相続税法を3回受験する前に、法人税法を6回受験しました。法人税法を6回受験して結果が出なかったため、義理の母から、知り合いの税理士先生を紹介され、受験について相談しました。そのとき、法人税法からの科目変更と、大学院への進学をアドバイスされました。試験での合格を希望していたので、大学院進学には、抵抗がありました。しかし、年齢や結果が出ていないことを考えると、今までのやり方を変える必要があると思い、受験科目を法人税法から相続税法に変更しました。
結果、法人税法を6回、相続税法を3回不合格になり、9年間合格科目がない状況でした。年齢を43歳で、一般的には、記憶力も若いころに比べて低下するだろうし、不利な状況であることは明白です。受験期間を通して、税理士試験からの撤退を一番強く考えた時期でした。
ダメだと思ってからやったこと
撤退して、どういう生きかたができるか、考えてノートにまとめた。
税理士試験を撤退することを今まで考えたことがなかったので、撤退してどういう生活ができるか、あらためて考えて、ノートに記録することは、とても苦痛でした。当時考えたことは、東京から、妻の実家のある関西に引っ越しして、新しく生活を始めるようなことだったと思います。
9回受験して結果が出ず、10回目受験することを考えることは、とても怖かったです。しかし、どうしても中途半端で終わりたくない気持ちと、ちょうど妻の妊娠がわかり、8月には子供が生まれる予定だったので、今撤退するにせよ、今年が最後の受験になるはずという覚悟がありました。
とても迷ったのですが、結局もう一回だけ受験することに決めました。
最後にもう一回だけ受験させてほしいとお願いした。
妻には、もう一回だけ受験させてくださいとお願いしました。当時つわりがひどい状況で、動くのも大変な時期だっただろうし、これから出産を迎えるにあたり不安も大きかったと思います。それでも、なんとか了解をしてくれました。受験の機会をくれたことは本当に感謝しています。
専門学校をTACから大原に変えた。
9回受験を失敗しているため、今までの方法には、何かしらの問題があると考えました。今までの勉強の仕方を変えるには、小手先の変更ではなく、今までの自分の勉強の仕方を根本から変えてみようと思いました。
まずは、専門学校をTACから大原に変えました。今まで3年間TACに通っていて、カリキュラムに慣れきってしまっていたためです。3回目の受験のときに、安定して成績がとれていたのも、理解が進んだというより、専門学校の問題に慣れてしまったからという面が大きいのではないかと考えました。そのため、心機一転、マンネリ化を避ける意味でも、専門学校を変えてみました。
正直、理論問題対策は大変だった。
専門学校を変えるということは、今まで暗記していた理論についても変える必要があります。TACでは理論マスターという教材をつかっていたのですが、大原では、理論サブノート(通称理サブ)を使います。学校が違うので、覚える条文の内容についても、分量など大きく違いました。
個人的な印象では、TACの理論マスターは、条文に忠実につくられているなと、また、手続面の条文の分量が多いなという印象でした。大原の理論サブノートは、受験生の負担を最小限に抑えられるように、必要十分な分量を暗記させるつくりになっているような印象でした。
私は、TACでの理論マスターも活かしたかったので、中央経済社の相続税法規通達集で、条文にあたりながら、理論マスターと理論サブノートを合体させたオリジナル教材を使っていました。(なお、この内容でいいかどうかは、講師と相談していました。)
今振り返って思うこと
あきらめなくて良かった。
最後の受験の年が一番キツかったと思います。この年、子供が生まれることもあり、正月は、食事の準備をして、勉強してました。その後も、朝食つくってから勉強したりと家事と仕事と並行して勉強を続けていたので、大変でした。また、5月に妻が入院したりと精神的にも落ち着かない年でした。8月の税理士試験と出産が重ならないようにと祈るばかりでした。
ただ、このような状況のなかで、運よく合格できたことは、自分にとっても自身になりました。また、税理士試験の受験を長い間支えてくれた妻には本当に感謝しています。2017年当時の状況からは、自分が税理士になっていて、このようなブログを書いていることは想像できませんでした。あきらめなくて良かったと今でもそう思います。